かるだもん

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グローバル3倍3分法の終焉が近い①

グローバル3倍3分法をはじめとして、伝統的なバランスファンドの終焉が刻一刻と近づいている予感がする。

失われつつある金利

今回のコロナショックと言われる連日の株式市場の暴落の裏で、金利が失われつつある。

というか、日欧はすでにマイナス金利を導入しており、先進国としてまともに金利が残っているのは、もはや米国だけという状況だ。
しかしコロナショックの最中、米債は驚くほどに買われた。金融市場関係者からすると、株の下落幅よりも債券の上昇幅の方に驚いている人が多いかもしれない。
そんな市場の催促に素直に従ったのか、FRBFOMCを待たずして、50bpの緊急利下げを行った。 次回(2020/3/18)のFOMCにおいても、再度利下げが期待されている。

一度下げた金利は中々戻ることはないだろう。(この状態で金利が上がるとしたら、財政懸念に端を発する「悪い」金利上昇である可能性が高い。) そもそも金利市場はロングスパンで見ると、右肩下がりで来ており、いつかこういう日が来るのは何となく分かっていた様な気がする。

株と債券のポートフォリオ

これによって、困るのは、ポートフォリオの作り方だ。 基本的に、株と債券は相関が低いとされ、その比率は投資家によるものの、それぞれを一定の割合で持つことで、リスクの分散が効く。
実際に多くの機関投資家がこの基本に従っているし、各種ロボアドや、個人投資家に大人気のグローバル3倍3分法ファンドをはじめとしたバランスファンドも同じ考え方をベースにしている。

株が売られるときは、債券が買われる。そのため、それぞれに分散することで、債券が株の下落分を吸収するクッションの役割を果たす。そういった前提だ。

ゼロ金利後のポートフォリオ

ところがゼロ金利になってしまうと、債券がもはやクッションの役割を果たさなくなる。もちろん理論上はマイナス金利というのもあるが、これは中央銀行が積極的にマイナス金利の深堀りを誘導する姿勢が前提だ。しかし今の所マイナス金利はその効果に疑問符が投げかけれており、目立った成果が無い。マイナス金利の深堀りには限界があるというのが通説だ。

債券をポートフォリオに入れても、株のクッションにならない。しかし金利上昇で下がるリスクはあるという(しかもマイナス金利だと、ネガティブキャリーになる)、何の約にも立たないアセットクラスとなる。

そうなると、基本となる理論がワークしなくなった世界で、各投資家はどのようなポートフォリオを作っていくのだろうか。 少なくとも、既存のバランスファンドはほぼ無意味なものになる日も近いかもしれない。ロボアドもだめだ。 個人的には、3倍3分法のコンセプトは好きだったが、案外寿命は短かったのかもしれない。